理解できないこと
2010年 07月 29日
エクアドルもシエラ地方とオリエンテ地方は今は夏休み。私の住むコスタ地方は2月、3月が夏休みなので今は毎日学校です。
昨日は、いつも生徒の送り迎えをしている2人のお母さんがとっても嬉しそうに、同僚教員のところに話をしにやってきました。私は教室でクラスの子どもと過ごしていたのでその会話には参加しなかったのですが、あとから、同僚に話の内容を聞いてびっくり・・・。
2011年から、重度障害児を学校に通学させる親は、毎日、授業時間中は学校に付き添っていなければならず、そうすることで240ドル(約2万2000円)政府が支給すると言うのです。このニュースに保護者は嬉しくて仕方がなく同僚教員に話をしたのです。
障害児の親に関わらずここでは仕事を持てる人はほんのわずかです。仕事はほとんどないからです。エクアドルの最低賃金は月に約200ドル(約1万8000円)ですので、保護者が学校に子どもと一緒に行くだけで240ドルもらえるのはすごいことです。しかし、重度の障害児1人の通学に対して毎月240ドル払えるのなら、何人の教員が雇えるでしょうか?? 私の同僚は最低賃金以下の月にたった150ドル(約1万3500円)で働いています。
例えば私のクラスには子どもが9人。この中の何人が重度障害児と認定されるのかはわかりませんが、重度障害児の保護者が240ドルを稼ぐために毎日教室にやってくるのです。おしゃべり好きなエクアドル人が集まって、はたして静かに教室で授業参観をするでしょうか。子どもたちにとっても、ずっと母親と一緒に過ごすのは問題です。やがては先に死ぬ親と離れて過ごす時間や自分1人でできることを増やしていかなければならないのに・・・。
今まで子どもを学校に通わせていなかった保護者も、240ドルを稼ぐために子どもを学校につれて行くようになるでしょう。障害児の就学率が2パーセントというこの国の状況を考えるとそれは素晴らしいことだと思います。でも、障害児教育を学べる大学も国内にわずかしかなく、私の学校のように教員免許を持っていない教員しかいない学校もある中でのこの政策。教員を養成したり、教員を雇うのにお金を使うという発想はなかったのか、本当に疑問です。もちろん、重度障害児を育てている家庭にはそれなりの支援は必要だとは思います。しかし、今回のような支援は障害児教育の質の向上に関して意味があるのか全く理解に苦しむばかりです。
これは私が日本人だから、エクアドルの文化を理解していないからこう考えるのか・・・と思い、同僚やホームステイ先の家族とも話をしてみましたが、やはり同僚も家族もこの政策について理解できないと言っています。同僚は「もう来年はこの学校では働かない」と言っています。同僚にとっては、自分の子どもの面倒しか見ない保護者が教室にいるよりも、全ての子どもの世話をして授業も手伝ってくれる教員を雇ってもらった方がいいに決まっているからです。私は来年度はもうエクアドルにはいないので見ることはできませんが、どうなっていくのでしょうか。
昨日は、いつも生徒の送り迎えをしている2人のお母さんがとっても嬉しそうに、同僚教員のところに話をしにやってきました。私は教室でクラスの子どもと過ごしていたのでその会話には参加しなかったのですが、あとから、同僚に話の内容を聞いてびっくり・・・。
2011年から、重度障害児を学校に通学させる親は、毎日、授業時間中は学校に付き添っていなければならず、そうすることで240ドル(約2万2000円)政府が支給すると言うのです。このニュースに保護者は嬉しくて仕方がなく同僚教員に話をしたのです。
障害児の親に関わらずここでは仕事を持てる人はほんのわずかです。仕事はほとんどないからです。エクアドルの最低賃金は月に約200ドル(約1万8000円)ですので、保護者が学校に子どもと一緒に行くだけで240ドルもらえるのはすごいことです。しかし、重度の障害児1人の通学に対して毎月240ドル払えるのなら、何人の教員が雇えるでしょうか?? 私の同僚は最低賃金以下の月にたった150ドル(約1万3500円)で働いています。
例えば私のクラスには子どもが9人。この中の何人が重度障害児と認定されるのかはわかりませんが、重度障害児の保護者が240ドルを稼ぐために毎日教室にやってくるのです。おしゃべり好きなエクアドル人が集まって、はたして静かに教室で授業参観をするでしょうか。子どもたちにとっても、ずっと母親と一緒に過ごすのは問題です。やがては先に死ぬ親と離れて過ごす時間や自分1人でできることを増やしていかなければならないのに・・・。
今まで子どもを学校に通わせていなかった保護者も、240ドルを稼ぐために子どもを学校につれて行くようになるでしょう。障害児の就学率が2パーセントというこの国の状況を考えるとそれは素晴らしいことだと思います。でも、障害児教育を学べる大学も国内にわずかしかなく、私の学校のように教員免許を持っていない教員しかいない学校もある中でのこの政策。教員を養成したり、教員を雇うのにお金を使うという発想はなかったのか、本当に疑問です。もちろん、重度障害児を育てている家庭にはそれなりの支援は必要だとは思います。しかし、今回のような支援は障害児教育の質の向上に関して意味があるのか全く理解に苦しむばかりです。
これは私が日本人だから、エクアドルの文化を理解していないからこう考えるのか・・・と思い、同僚やホームステイ先の家族とも話をしてみましたが、やはり同僚も家族もこの政策について理解できないと言っています。同僚は「もう来年はこの学校では働かない」と言っています。同僚にとっては、自分の子どもの面倒しか見ない保護者が教室にいるよりも、全ての子どもの世話をして授業も手伝ってくれる教員を雇ってもらった方がいいに決まっているからです。私は来年度はもうエクアドルにはいないので見ることはできませんが、どうなっていくのでしょうか。
by hirune007
| 2010-07-29 10:26